わたしが育った街は今も
変わらなくて
明かずの踏み切りも、歩道の穴ぼこも
思い出さなくても、浮かぶ思い出

大人になったら、強くなれる
魔法みたいに、変われるはず
現実はどうだ、自分のことばっか
助けられたことも忘れて

その手に今は何もなくても
いつか誰かを愛すだろう
争わなくていい
優しくあればいい
それが強さだから

あなたが生まれた街はきっと
変わってくだろう
凸凹は平らに、傷は綺麗にして
思い出せなくて、消える思い出

春になったら、腹は芽吹き
夏になれば、山は青く
秋は月踏みて、冬は音を聞く
生まれる前から知っている

この手を握る、その小さな手は
いつか誰かを守るだろう
目に映るすべては
人を繋いでゆく
言葉のない手紙

好きなものを愛そう
好きなものを宿でいよう
誰かのため、自分のため
できることは何だろう

この手を握る、その小さな手は
いつか誰かを守るだろう
目に映るすべては
時を紡いでゆく
言葉のない手紙

目に映るすべては
人を繋いでゆく
言葉のない手紙